
Webサイトのユーザー体験を数値で評価する指標「Core Web Vitals」は、Googleが重視するUXの中心です。特にSEOへの影響が大きいため、Web制作者やマーケターにとって無視できない存在となっています。本記事では、LCP・INP・CLSの各指標の意味と、スコアを改善するための基本的な対策について解説します。
目次
LCP(Largest Contentful Paint):最大視覚コンテンツの表示時間
LCPは、ページが読み込まれてから"もっとも大きな視覚的要素"が描画されるまでの時間を測定する指標です。
改善目標
- 良好(Good):2.5秒以内
- 改善が必要(Needs Improvement):2.5~4.0秒
- 不良(Poor):4.0秒超
よくある原因
- 画像や動画など大きなコンテンツの読み込み遅延
- フォントの読み込みブロック
- JavaScriptやCSSの重さ
基本的な改善対策
- 画像の最適化:WebPやAVIF形式を利用、必要なら遅延読み込み(Lazy Load)
- 重要リソースのプリロード:
<link rel="preload">
で主要画像・フォントを先読み - レンダリングブロックの削減:CSSやJavaScriptを遅延読み込み
HTMLマークアップ例
<!-- LCPを意識した画像 -->
<link rel="preload" as="image" href="hero-image.webp">
<img src="hero-image.webp" alt="メインビジュアル" width="1200" height="800" loading="lazy">
注意点:<img>
タグのwidth/height指定
LCP改善のために画像サイズを明示的に指定するのは有効ですが、以下のようなデメリットも考慮が必要です:
- レスポンシブ対応が複雑になる
- 表示崩れや縦横比のズレの原因になることがある
INP(Interaction to Next Paint):次の描画までの応答時間
INPは、ユーザーの操作(クリックやキー入力など)に対して、画面が応答するまでの時間を測定する新しい指標です。2024年からFCP(First Input Delay)に代わり、主要指標として採用されています。
改善目標
- 良好:200ms以下
- 改善が必要:200~500ms
- 不良:500ms超
よくある原因
- メインスレッドのJavaScript処理が重すぎる
- イベントリスナー内の処理が遅い
- スクロールやDOM操作が複雑
基本的な改善対策
- 不要な処理の分割やWeb Workerの利用
- イベントリスナーの最適化(
passive: true
など) - アニメーション処理をCSSで実装(JavaScriptでの逐次制御を避ける)
JavaScriptプログラム例
<!-- 遅延処理や軽量化したイベントリスナー -->
<button id="buy">購入する</button>
<script>
document.getElementById("buy").addEventListener("click", function () {
window.requestIdleCallback(() => {
// 重たい処理を後回しに
console.log("処理開始");
});
}, { passive: true });
</script>
CLS(Cumulative Layout Shift):累積レイアウト移動
CLSは、読み込み中にページのレイアウトがどれだけずれたかを測定する指標です。視覚的な安定性を評価します。
改善目標
- 良好:0.1未満
- 改善が必要:0.1~0.25
- 不良:0.25超
よくある原因
- サイズ未指定の画像や広告バナー
- 動的に挿入されるコンテンツ(例:フォントの遅延読み込み、スライド表示)
- 非同期JavaScriptによるDOMの変更
基本的な改善対策
- 画像や動画にはwidthとheightを指定(または
aspect-ratio
を使用) - 広告や埋め込み要素にもプレースホルダー領域を確保
- WebフォントのFOUT対策(
font-display: swap
)を適用
HTMLマークアップ例
<!-- CLSを防ぐ画像とフォントの例 -->
<style>
@font-face {
font-family: 'MyFont';
src: url('myfont.woff2') format('woff2');
font-display: swap;
}
</style>
<img src="banner.jpg" width="728" height="90" alt="広告バナー">
まとめ:Core Web Vitalsを改善してSEOとUXを両立
Core Web Vitalsは、単なる速度指標ではなく、ユーザー体験そのものを数値化したものです。
- LCPでは視覚的な初速を
- INPでは操作への反応性を
- CLSでは視覚の安定性を
それぞれ評価しており、バランスの良い改善が求められます。
日々のWeb制作においては、開発初期からこれらを意識した設計・コーディングを行うことで、後からの調整負荷を最小限に抑えることができます。ぜひ継続的なパフォーマンス計測と改善を習慣化しましょう。

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