CSSアニメーション vs JavaScriptアニメーション:使い分けとベストプラクティス

Webサイトに動きを加えるアニメーションは、UXを向上させたり、視覚的な魅力を高めたりする重要な要素です。しかし、アニメーションの実装にはCSSとJavaScriptの2つのアプローチがあり、それぞれに得意・不得意があります。本記事では、それぞれの特徴と使い分け、さらに実務で役立つベストプラクティスを具体例とともに解説します。
目次
CSSアニメーションの特徴と使い所
CSSアニメーションは、パフォーマンスの高さと記述の簡潔さが魅力です。特に「状態の変化」や「単純なインタラクション」に適しています。
特徴
- GPUによる高速レンダリング:
transform
やopacity
などのプロパティに限定すれば、非常に滑らか。 - 記述がシンプル:スタイルシートに定義するだけで完結。
- イベント駆動がやや苦手:動的に制御するには工夫が必要。
使用例:ボタンにホバー時のアニメーション
.button {
transition: background-color 0.3s ease;
}
.button:hover {
background-color: #007acc;
}
JavaScriptアニメーションの特徴と使い所
JavaScriptアニメーションは、「高度な制御」や「連続的な動作」、「スクロールやクリックに応じた動き」などに強みがあります。
特徴
- 時間や状態の制御が自由:イージング、キャンセル、ループなども柔軟。
- 条件分岐やDOM操作との相性が良い:インタラクティブな要素で力を発揮。
- 記述量とパフォーマンスに注意:処理が重くなるとFPSが落ちることも。
使用例:スクロール位置に応じたフェードイン
window.addEventListener('scroll', () => {
const el = document.querySelector('.fade-in');
const rect = el.getBoundingClientRect();
if (rect.top < window.innerHeight) {
el.style.opacity = 1;
el.style.transition = 'opacity 0.6s ease-out';
}
});
どう使い分ける?判断基準まとめ
判断基準 | CSS | JavaScript |
---|---|---|
パフォーマンスが最優先 | ✅ 高い | △ 条件次第 |
単純なホバー・状態変化 | ✅ 得意 | △ 過剰 |
スクロールやクリックと連動 | △ 難しい | ✅ 得意 |
動的な値や条件でアニメーション | ❌ 不向き | ✅ 柔軟 |
再利用可能なUIコンポーネント | △ 限定的 | ✅ 拡張性あり |
ベストプラクティス:CSSとJavaScriptの共存も視野に
1. アニメーション対象プロパティの選定
レイアウト再計算が発生するwidth
やtop
よりも、transform
やopacity
を使いましょう。
.bad {
transition: top 0.3s ease;
}
.good {
transition: transform 0.3s ease;
}
2. JavaScriptは最小限に
できるだけCSSで表現し、JSはトリガーや複雑な挙動に限定すると、保守性が高まります。
button.addEventListener('click', () => {
document.body.classList.add('modal-open');
});
.modal-open .modal {
opacity: 1;
transform: translateY(0);
}
3. requestAnimationFrameの活用
JavaScriptでアニメーションする場合はrequestAnimationFrame
を使うことでブラウザの描画タイミングに合わせて最適化可能です。
function animate() {
const now = performance.now();
// アニメーション処理
requestAnimationFrame(animate);
}
requestAnimationFrame(animate);
まとめ:適材適所で使い分けるのが成功の鍵
CSSとJavaScript、どちらが「正解」かではなく、状況に応じた「最適解」を選ぶことが重要です。
パフォーマンスを重視する場面ではCSS、ユーザー操作や状態に応じた動きが必要な場面ではJavaScriptが活躍します。
特に現代のWeb制作では両者を組み合わせることで、表現力とパフォーマンスを両立したアニメーション設計が可能になります。まずは一度、プロジェクトで使ってみて、それぞれの得意分野を体感してみてください。

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