GA4でコンバージョンを正確に計測する方法：ボタンクリック・フォーム送信対応

GA4のコンバージョン計測の基本とGTMとの関係

GA4では、「コンバージョン＝任意のイベントを変換対象としてマークする」ことにより設定されます。これまでの「目標設定」とは異なり、GA4ではすべてのコンバージョンがイベントベースで動作します。

GA4のイベントをコンバージョンに設定する方法

1. GA4管理画面にアクセス
2. 左メニュー「イベント」を選択
3. 対象のイベントの「コンバージョンとしてマーク」をONに

例：form_submit, cta_click など任意のイベント名でOKです。

GTMとの連携の重要性

GTM（Googleタグマネージャー）を使えば、HTMLを直接編集せずにイベントを柔軟に送信できます。GA4との連携設定を事前に済ませておきましょう（GA4設定タグ＋イベントタグの構成）。

ボタンクリックをコンバージョン計測する方法

CTAボタン（例：資料請求ボタン、購入ボタンなど）をクリックしたときのイベントをGA4で計測するには、GTMのクリックトリガーを活用します。

① HTML上のボタン例

<a href="/contact/" class="btn cta js-cta">お問い合わせ</a>

② GTMの設定手順（クリックイベント）

1. トリガーを作成
   • タイプ：クリック > すべての要素
   • 条件：Click Classes に js-cta を含む
2. タグを作成
   • タグタイプ：GA4 イベント
   • 設定タグ：既存のGA4設定タグを指定
   • イベント名：cta_click
   • パラメータ（任意）：
     • button_text = {{Click Text}}
3. テストと公開
   • プレビューモードで動作確認
   • GA4リアルタイムレポートでイベント確認
   • 問題なければ公開

フォーム送信をコンバージョン計測する方法

フォーム送信には、GTMで「フォーム送信トリガー」を使用するか、JavaScriptによるカスタムイベントを発火させる方法があります。

① HTML例（フォーム）

<form class="contact-form js-contact-form" action="/thanks/" method="POST">
  <input type="text" name="name" required>
  <button type="submit">送信</button>
</form>

② 自動トリガーで計測（フォーム送信トリガー）

1. トリガー設定
   • タイプ：フォーム送信
   • チェック：このトリガーをすべてのフォームに適用
   • 条件：Form Classes に js-contact-form を含む
2. タグ設定
   • タグタイプ：GA4 イベント
   • イベント名：form_submit
   • パラメータ：form_class = {{Form Classes}}
3. 注意点
   • Ajax送信やJavaScriptでの非同期送信では「フォーム送信」トリガーが発火しない場合があります。

JavaScriptからカスタムイベントを送信する方法

非同期通信（Ajax）などで送信されるフォームでは、JavaScriptで明示的にイベントを送信する必要があります。

① JavaScriptコード例

gtag('event', 'form_submit', {
  form_id: 'contact_form',
  form_type: 'ajax'
});

もしくは、GTMのdataLayerを使用する場合：

window.dataLayer = window.dataLayer || [];
window.dataLayer.push({
  event: 'form_submit',
  form_id: 'contact_form'
});

この場合、GTM側で form_submit イベント名に対応するカスタムイベントトリガーを設定しておきます。

コンバージョンに設定し、GA4で確認する

1. GA4でイベントを確認
   • 「リアルタイム」または「イベント」画面でcta_clickやform_submitを確認
2. コンバージョンとしてマーク
   • イベント一覧から該当イベントを「コンバージョン」として有効化
3. レポートで確認
   • GA4の「コンバージョン」レポートで効果測定が可能

まとめ：正確なCV計測には設計・確認・運用が重要

GA4ではすべてがイベントベースであるため、従来以上に「どのアクションを、どのイベント名で、どう送るか」を明確に設計することが重要です。ボタンクリック・フォーム送信などはGTMと組み合わせることで柔軟に計測できますが、プレビューツールでのテストを怠らないことが成功の鍵です。GA4の仕様を理解し、正確なCV計測でマーケティング施策をより強固なものにしましょう。

必要に応じてGA4の「カスタムディメンション」や「ユーザー属性」を組み合わせれば、より詳細な分析が可能になります。さらに高度な計測を目指す際には、BigQuery連携なども検討してみてください。