Gitを使ったバージョン管理の基本とチームでの効率的な運用ルール

Gitの基本操作と用語解説

まずは、Gitを扱う上で理解しておきたい基本的な用語とコマンドを紹介します。

よく使う用語

• リポジトリ（Repository）：プロジェクトのコードや履歴を管理する単位。
• コミット（Commit）：ファイルの変更履歴を記録する単位。
• ブランチ（Branch）：開発の作業単位。複数の開発を並行して進められる。
• マージ（Merge）：他のブランチでの変更を取り込む操作。

基本コマンド例

git init              # リポジトリの初期化
git clone <URL>       # リポジトリの複製
git status            # 現在の状態を表示
git add <file>        # 変更をステージング
git commit -m "msg"   # コミット
git push origin main  # リモートへ反映

チーム開発でのブランチ戦略

複数人での開発では、ブランチの運用ルールを明確にしておくことが重要です。以下に代表的な運用方法を紹介します。

Git Flow（代表的な運用モデル）

• main：リリース用の安定ブランチ。
• develop：開発のベースブランチ。
• feature/*：新機能の開発用。
• hotfix/*：緊急修正用。
• release/*：リリース準備用。

git checkout -b feature/awesome-feature develop
# 作業後
git checkout develop
git merge feature/awesome-feature
git push origin develop

運用ルール例

• ブランチ名には接頭辞を付ける（例：feature/、bugfix/）
• main や develop に直接コミットしない
• Pull Request（PR）を使ってコードレビューを必須とする
• 1PRは1機能・1修正に限定する

コードレビューとCI/CDの導入

品質を担保するためには、コードレビューや自動テストの仕組みを整えることも重要です。

Pull Request（PR）のベストプラクティス

• 説明を明確に記述（目的・変更点・確認方法）
• スクリーンショットやGIFを添付（UI変更時）
• 適切なレビュアーを設定

CI/CDとの連携例（GitHub Actions）

.github/workflows/test.yml

name: Test
on: [push, pull_request]
jobs:
  build:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v2
      - name: Set up Node.js
        uses: actions/setup-node@v2
        with:
          node-version: '18'
      - run: npm install
      - run: npm test

チームでのGit運用を円滑にするTips

.gitignoreを整備する

バージョン管理に不要なファイルを除外します。

# node_modulesなど
node_modules/
dist/
.env
.DS_Store

コンフリクト解消の練習

マージのたびに発生しがちなコンフリクトは、事前に練習しておくとスムーズです。

git merge feature/other-feature
# コンフリクトが起きたファイルを修正
git add <file>
git commit

Gitエイリアスで作業効率化

git config --global alias.st status
git config --global alias.co checkout
git config --global alias.br branch
git config --global alias.cm "commit -m"

まとめ：Gitは習熟とルールで活きるツール

Gitは非常に柔軟で強力なツールですが、チームで効率的に活用するためには、運用ルールと各メンバーの理解が不可欠です。基本的な使い方をマスターしたうえで、ブランチ運用ルール、コードレビュー、CI/CDといった実践的な仕組みを取り入れることで、開発効率と品質の両立が可能になります。

個人でもチームでも、まずは小さく始めて、徐々にルールや仕組みを整えていくのが成功のポイントです。