
interpolate-size は、CSS の height: auto や width: auto といった“自動的に決まるサイズ”をトランジション/アニメーション可能にする実験的機能です。従来、JavaScript や max-height トリックを多用せざるを得なかったアコーディオンやドロワーUIの滑らかな開閉が、CSSだけで実現可能になるという画期的な提案ですが、2025年7月現在の実装状況はまだ限られています。この記事では、各主要ブラウザのサポート状況を最新情報+実例つきで整理します。
目次
interpolate-size
の概要と用途
interpolate-size
は CSS Values and Units Module Level の一部で、<length>
や <percentage>
と auto
, max-content
などの "intrinsic size" をトランジション対象として滑らかに補間できるようにするプロパティです。
:root {
interpolate-size: allow-keywords;
}
.panel {
height: 2rem;
overflow: hidden;
transition: height .4s ease;
}
.panel.open {
height: auto;
}
上記のように height: auto
を指定した状態への遷移も滑らかになります。
各ブラウザの対応状況 (2025年7月現在)
Chrome(および Chromium系ブラウザ)
- バージョン 129 から正式に対応開始
interpolate-size: allow-keywords
とcalc-size()
の両方対応
Edge (Chromium)
- 同じく v129 以降で対応
Firefox / Safari
- 現在は 未対応
- Can I use や MN でも "unsupported" の表示
️ 活用方法
interpolate-size
は CSS の オプトインプロパティ で、明示的に有効化しない限り効果が出ません。
:root {
@supports (interpolate-size: allow-keywords) {
interpolate-size: allow-keywords;
}
}
これを書いておくことで、対応ブラウザでは0px → auto
や max-content → 200px
といったトランジションの補間が滑らかになります。
calc-size() の使い方とブラウザ対応
calc-size()
とは?
calc-size()
は intrinsic(内在的)なサイズ、例えば auto
、max-content
、min-content
、fit-content
、content
に対して演算を加えられる関数です。CSS の calc()
では扱えなかったサイズに対して、演算が可能になります。 さらに、calc-size()
を使うと、自動的に interpolate-size: allow-keywords
が適用されたように振る舞い、アニメーションやトランジションが効くようになります。
使い方の例
.element {
width: ;
transition: width .6s ease;
}
.element.open {
width: calc-size(auto, size + 2px);
}
このように書くと、auto
の幅に 2px を加えたサイズへ滑らかに遷移します。
calc()
との違い
calc()
:数値やパーセントを演算できるが、auto
やmax-content
のような intrinsic サイズは扱えない。calc-size()
:そんな intrinsic サイズを起点にした演算が可能で、しかも補間もできる。
つまり、“自動サイズ × 演算” を実現する強力な架け橋なのです。
ブラウザ対応状況(2025年7月現在)
機能 | Chrome | Edge | Firefox | Safari |
---|---|---|---|---|
calc-size() | ✅ v129〜 | ✅ v129〜 | ❌ | ❌ |
interpolate-size | ✅ | ✅ | ❌ | ❌ |
使用時の注意点
calc-size()
を使うと、その要素には 自動的に補間能力(interpolate-size)が適用されたようになるため、interpolate-size
を明示的に書かなくても遷移できます。- ただし、ほとんどの場合、サイト全体に適用するなら
interpolate-size: allow-keywords
を使った方がシンプルです。 - 非対応ブラウザには
@supports (calc-size())
あるいは@supports (interpolate-size: allow-keywords)
を使ってフォールバックを書きましょう。
.element {
width: fit-content;
}
.element.open {
width: calc-size(fit-content, size + 2rem);
}
このように calc-size()
は、「自動サイズのまま微調整して滑らかに動かしたい」 というUI要件にぴったりです。
サンプルコード:interpolate-size対応アコーディオン
以下は interpolate-size
を使ったアコーディオンの実装例です。Chrome 129+ または Edge 129+ でご確認ください。
実際にデモで確認する(最新版のChrome又はEdgeにてご確認ください)
まとめ:interpolate-size と calc-size が開く新しいCSSアニメーション
ブラウザ | 対応状況 | 備考 |
Chrome (v129以降) | ✅ 対応済み | interpolate-size , calc-size() 両対応 |
Edge (Chromium) | ✅ 対応済み | 同上 |
irefox | ❌ 未対応 | 今後に期待 |
Safari | ❌ 未対応 | 同上 |
interpolate-size
や calc-size()
は、これまで CSS 単体では困難だった auto
へのスムーズなアニメーションを可能にする画期的なプロパティです。たとえばアコーディオンUIやドロワーなど、要素のサイズがコンテンツによって変化するケースにおいて、従来は max-height
や JavaScript を併用する必要がありました。しかしこれからは、CSS のみで自然で滑らかなトランジションが実現できるようになります。
現時点での対応ブラウザは Chrome 129+ および Edge 129+ に限られていますが、今後 Firefox や Safari での実装が進めば、すべての主要ブラウザで利用可能な標準機能として普及していくことが期待されます。
特に height: auto
のトランジションは、長年フロントエンド開発者の間で「できそうでできない」と言われ続けてきた難題でした。これを CSS だけで解決できるようになるという点で、interpolate-size
はまさに全コーダー待望のプロパティだと言えるでしょう。
これからの CSS は「できないことを避ける」フェーズから、「できるように進化する」フェーズへと突入しています。interpolate-size
と calc-size()
は、その象徴的な存在です。今のうちから実験的に取り入れて、次世代の UI 実装に備えておきましょう。CSSのみでUI動作を完結する時代に向けて大きな一歩となりそうです。

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