
パッケージマネージャーとして人気を集める「pnpm」。その導入時に生成される pnpm-lock.yaml は、npmの package-lock.json やyarnの yarn.lock とは仕組みが大きく異なります。本記事では、pnpmのロックファイルの特徴やnpmとの違い、プロジェクト運用上の注意点について具体例を交えて解説します。
目次
pnpm-lock.yamlとは?
pnpm-lock.yaml
は、pnpmを使用したプロジェクトにおいて、依存関係の正確なバージョンを記録するためのロックファイルです。このファイルは、再現性のあるビルド(deterministic builds)を保証するために必要不可欠な役割を果たします。
特徴
- 拡張性が高く、人間が読みやすいYAML形式
- 依存関係がフラットではなくリンク構造で管理される(pnpmの独自ストア機構に最適化)
node_modules/
内にハードリンクされた構造と連携
npmとのロックファイルの違い
pnpm-lock.yaml
と package-lock.json
(npm)の主な違いを以下にまとめます。
比較項目 | pnpm(pnpm-lock.yaml) | npm(package-lock.json) |
---|---|---|
ファイル形式 | YAML形式 | JSON形式 |
重複パッケージ | 同じ依存でもバージョンごとに1つのコピー | パッケージごとに別々にインストール |
ストレージ構造 | .pnpm-store にキャッシュし、ハードリンク | node_modules に直接配置 |
ファイルサイズ | 比較的コンパクト | 大きくなりがち |
依存の再現性 | 極めて高い | 高いが、衝突回避にやや難あり |
実際のファイルの一部例(pnpm-lock.yaml)
lockfileVersion: 5.4
importers:
.:
dependencies:
axios: 1.5.0
packages:
/axios/1.5.0:
resolution: { integrity: sha512-xxxxxx }
dev: false
このように、importer(=プロジェクトルート)ごとの依存や、厳密なパッケージ情報が整理されています。
注意点:pnpm-lock.yaml運用で気をつけるべきこと
1. 手動で編集しない
pnpm-lock.yaml
はpnpmが自動で管理するファイルです。手動編集はバグの温床となるため避けましょう。
2. チームで使うならpnpmを統一
npmとpnpmではロックファイルの形式が異なるため、プロジェクトで使うパッケージマネージャーは統一しましょう。VSCodeなどで .npmrc
に以下を記述するのも有効です。
package-manager=pnpm@8.15.3
3. CI/CDでもpnpmを使う
CIで npm install
を実行すると pnpm-lock.yaml
が無視されるため、CIでもpnpmを使用しましょう。
pnpm install --frozen-lockfile
※ --frozen-lockfile
を使うと pnpm-lock.yaml
と package.json
の不整合でエラーを出せるため、再現性の担保になります。
4. Git管理を忘れずに
ロックファイルをGit管理するのは必須です。.gitignore
に追加しないよう注意してください。
まとめ:pnpm-lock.yamlはpnpmの強みを支える重要ファイル
pnpm-lock.yaml
はpnpm特有の依存管理を実現するための中核ファイルであり、npmとは大きく構造が異なります。再現性・パフォーマンス・ストレージ効率を向上させる一方で、運用においてはツールの統一やCI設定の徹底が不可欠です。pnpmのロックファイルの特性を理解して、チームやプロジェクトでの活用に役立てましょう。

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