
現代のWeb開発において、ページの読み込み速度やユーザー体験は、SEOやCVRに直結する重要な要素です。本記事ではGoogleの提唱する「Core Web Vitals」を起点に、近年注目を集める超高速ランタイム「Bun」、新世代フレームワーク「Qwik」、そしてCDNやEdgeでの実行を前提とした「Edge Runtime」の概念まで、Webパフォーマンスの最前線を具体例とともに解説します。
目次
Core Web Vitalsとは?ページ体験を数値で評価する
Googleが提唱するCore Web Vitals(CWV)は、ユーザー体験を測定するための3つの指標で構成されています。
指標名 | 説明 | 理想的な値 |
---|---|---|
LCP(Largest Contentful Paint) | 最大のコンテンツが表示されるまでの時間 | 2.5秒以内 |
FID(First Input Delay) | 最初の入力に対する応答時間 | 100ms以内 |
CLS(Cumulative Layout Shift) | レイアウトのズレ(視覚的安定性) | 0.1未満 |
改善策の具体例
- LCP対策:Hero画像のLazy Loadを防ぎ、
<link rel="preload">
で事前読み込み - FID対策:JavaScriptの分割(code-splitting)、
requestIdleCallback
の活用 - CLS対策:画像や広告領域の高さをCSSで事前に指定する
<img src="/images/hero.jpg" alt="Hero" width="1200" height="600" loading="eager" />
Qwik:初回描画を最速にする“Resumability”なアプローチ
Qwik(Quick)は、Misko Hevery(Angularの生みの親)が開発した超高速フレームワークです。
特徴
- Resumability:サーバーで生成された状態をそのままブラウザで“再開”できる
- 部分的なインタラクティブ化:必要なコードだけを動的に読み込む(遅延初期化)
// Qwikのシンプルなカウンター例
import { component$, useStore } from '@builder.io/qwik';
export default component$(() => {
const state = useStore({ count: 0 });
return (
<button onClick$={() => state.count++}>
Count: {state.count}
</button>
);
});
従来のSPAとは異なり、JSの初期バンドルを極限まで削減できるため、LCP・FID改善に直結します。
Bun:爆速JavaScriptランタイム
BunはNode.jsの代替として開発された新しいJavaScriptランタイムです。
特徴
- 超高速起動・実行:ESBuildベースでコンパイルが爆速
- Node.js互換API:既存のNodeプロジェクトをほぼそのまま実行可能
- ビルトインツール:TypeScript, JSX, test runner, bundlerすべて内蔵
bun init
bun install
bun index.ts
従来より開発速度・実行速度ともに改善でき、SSRやEdge Functionsにも最適です。
Edge Runtime:CDNの先で実行するWebロジック
Next.jsやCloudflare Workersなどで採用されるEdge Runtimeは、データセンターよりユーザーに近い場所でJavaScriptを実行する技術です。
メリット
- 超低レイテンシ:東京のユーザーに東京リージョンでレスポンス
- スケーラビリティ:自動スケーリングされる無サーバー環境
- 初回表示の高速化:TBT(Total Blocking Time)削減に寄与
// Cloudflare Workerの例
export default {
async fetch(request: Request) {
return new Response("Hello from the Edge!");
}
};
LCPの向上、パーソナライズ表示の高速化、ABテストなど、リアルタイム性の高い処理に最適です。
まとめ:Webパフォーマンスの未来は「限界までの分散・最適化」
今後のWebパフォーマンスは、単にリソースを軽くするだけでなく、「どこで」「いつ」処理を行うかが鍵になります。Core Web Vitalsで測定・改善を行いつつ、QwikやEdge Runtimeを活用した最小JS戦略、Bunを使った爆速実行環境など、全体の最適化設計が重要です。
一歩先のパフォーマンスを追求するために、最新技術へのキャッチアップを欠かさず行っていきましょう。

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